職員インタビュー Vol.13

【北星会】

介護老人保健施設 リハ・ヴィラなぎさ苑  言語聴覚士(機能訓練室)  入職2ヶ月

 

 仕事の流れ、仕事内容 

機能訓練室に所属し、言語聴覚士として働いています。
以前は病院に勤めており、なぎさ苑で働き始めてまだ2ヶ月ですが、わからないところは先輩職員に聞きながら仕事をしています。

【仕事の流れ】
①ラジオ体操、全体の朝礼
②部署内(機能訓練室)の朝礼
③情報収集
 電子カルテから、リハビリを担当するご利用者の夜間帯の様子、血圧や体温が変わりないかという情報収集を行います。
④個別リハビリ(午前)
 リハビリ開始前には、看護師さんに体温や血圧等をもう一度確認し、問題がなければリハビリを開始します。
 リハビリは、身体を動かしたり塗り絵をしたりと、ご利用者に合わせて内容を考えています。
 ご利用者の昼食が12時から始まるので、それに合わせて午前のリハビリを終了します。
⑤食事ラウンド
 言語聴覚士は、“話すこと” “食べること”を専門としているので、ご利用者の昼食の際には食事ラウンドを行います。
 ご利用者が食べておられる様子を見て、食事形態がその方に合っているか、むせておられないかなどの確認をします。
 その方に合った食事を提供できるように、その場で管理栄養士さんや歯科衛生士さんと情報を共有しています。
⑥休憩
⑦個別リハビリ(午後)
 ご利用者のおやつの時間に合わせて一旦終了し、食べる場所まで誘導します。
 おやつが終わったらまた次の方のリハビリを再開します。
カルテ記入
 リハビリが終わったら、リハビリの内容やご利用者の状態などをカルテに入力します。
カンファレンス
 入所されてから1ヶ月後→3ヶ月後→またその3ヶ月後と、ご利用者お1人の状況を多職種(相談員、看護師、介護職、リハビリ、管理栄養士、歯科衛生士)で共有します。

なぎさ苑には、入所・通所のご利用者に施設内で行うリハビリと、ご自宅に行って行う訪問リハビリがあります。
私は入所の方のリハビリを担当し、1日に10~15名の方のリハビリを行っています
入所されてから3ヶ月の間は、週5日、1日に20~40分間リハビリをします。
その方がお家に帰ることを目標とされているかなどで時間が変わってきます。
短期間で集中してリハビリを行う場合は、身体機能の回復を主目的として20分以上のリハビリを週3回以上行います。
認知症と診断された方へは、生活機能の改善を目的として、20分以上のリハビリを週3回まで行います。
入所されて3ヶ月以上経過されている方は、週3回、1日に20分程度のリハビリをします。

 以前は病院に勤められていたとのことですが、病院と老健(介護老人保健施設)ではどのような違いがありますか? 
病院は、治療やリハビリを目的として入院・通院をされますが、老健では生活の中にリハビリがあるイメージです。
その方の生活を支えるようなかたちのリハビリとして関わっているので、そこに違いがあると思います。

病院では、言語聴覚士、理学療法士や作業療法士など、ご利用者お1人に治療や医師の指示に合わせた療法士がついて専門的にリハビリをしていました。
老健のなぎさ苑では、1人のご利用者につき1人の療法士が対応します。
一緒にお話をしたり、
脚や手の体操、机の上で塗り絵や計算をしていただいたりします。
ご利用者が好きなことや意欲的に取り組まれることなども踏まえて作業の内容を考えたり、その方の足の力が弱くなっていたら足の体操を多くしたりと、ご利用者1人ひとり合わせて必要なリハビリを行います。
複数のご利用者が集まって歌を歌ったり塗り絵をしたりすることもあり、みなさんで楽しみを共有していただきます。
そこでご利用者同士のコミュニケーションが取れるので、“話す”というリハビリにもつながっています。

 

 この仕事を始めた理由 

私は子どもの頃から話すことが苦手で、今でも上手く話せないことがありますが、同じ想いを抱えている方の気持ちに寄り添いたい、人のためになる仕事や社会の役に立つ仕事がしたいと思い、言語聴覚士を選びました。
言語聴覚士という仕事を知ったきっかけは、高校で進路を選択する時に 「こんな仕事があるよ」 という先生からの紹介です。
言語聴覚士は自分だからこそできる仕事だと思い、専門学校に進学しました。
それまでは、リハビリと聞くと足や手などの体を動かすイメージで、言語聴覚士のことは全く知らなかったです。
“リハビリ”という言葉も知っているような知らないような...という感じでした。

 病院から老健に転職したきっかけは何ですか? 
言語聴覚士の仕事を始めて7年目。
これまではずっと病院にいたので、違う分野で働いてみたいというところが大きかったです。
病院では、リハビリを終えてご自宅に帰られる方もいれば老健に行かれる方もいたので、“老健”にも興味がありました。
祖父母も老健でお世話になっていたのですが、職員の方を見ているとご利用者に寄り添った関わり方をされていて、私もそういう人になりたいと感じていました。
高校時代からの友人がなぎさ苑で理学療法士をしていて、“働きやすい職場”だと聞いていたので、北星会のなぎさ苑を選びました。

 

 この仕事の魅力、やりがい 

ご利用者に直接関わる仕事なので、「ありがとう」 という感謝の言葉や笑顔で対応して下さった時には、時間を共有できて良かったな、リハビリさせてもらえて良かったな、と感じます。
そういう言葉や笑顔をいただけると嬉しいですし、また一緒に時間を過ごしたいと思います。
コミュニケーションを取る中でいろいろなお話を聞かせていただけるので、自分の知らないこともたくさん知ることができます。

リハビリのメニューで、野球がお好きな男性のご利用者と的あてゲームのようなことをしたことがあり、ご本人もすごく楽しそうにされていたのが印象に残っています。
その様子を看護師さんからご家族に伝えられた時に、ご家族からも 「本人が楽しめる活動をしていただけて良かったです」 と言っていただいたみたいで、ご利用者にもご家族にもプラスの効果が働いてすごく嬉しかったです。
そのゲームは、看護師さんから 「こんなんがあるで」 と教えてもらったものですが、看護師さんや介護士さんの想いも同じ方向に向いていて、尚且つご利用者やご家族に喜んでいただくことができて良かったです。

職場環境としては、なぎさ苑で働いてみて、人の温かさを感じています。
入職した頃は右も左もわからない状態だったのですが、そんな時に職員の方々から 「 大丈夫?」「どうしたの?」 と声をかけていただき、温かく迎えてくださったので、とても仕事がしやすく、自分の居場所ができたように思いました。

 

 この仕事をしていて大変なこと 

リハビリには、言語聴覚士は “話す・食べる”、理学療法士は “体を動かす” というように、それぞれ専門性があります。 
ご利用者1人に言語・理学・作業いづれかの療法士1人が担当となるので、自分の専門的知識以外のところもしっかり知っておかないといけません。
知識がないとその方の全体を見れないので、最初は専門以外の部分はどう関わったら良いのだろう、と少し悩みました。
あとは、耳が聞こえづらいご利用者にどうやったら話が伝わりやすいだろう、どうやったらお話がしやすくなるだろうと考えながら接しています。
その方の想いを傷つけないように、でもこちらの想いも伝えられるようにと考えています。
迷ったことや難しいことは周りの職員に相談したり、改めて学んだりしています。

言語聴覚士は“話すこと”の専門家なので、できるだけお話する時間を多く取るようにしています。
耳が聞こえづらくなったり認知症が進んで意思疎通が難しくなったりしても、その方の想いを傾聴することを心がけています。
笑顔になることが人の活力になると思うので、それを引き出せる言語聴覚士でありたいと思っています。

 

 休みの日の過ごし方、趣味、特技 

休みの日は出かけていることが多いです。
買い物に行ったり、ご飯を食べに行ったり、カフェに行ったり、映画を観に行ったりします。
家にいる時はスマホやテレビでゲームをしたり、YouTubeやネットフリックスで動画を観たりしています。

特技は、思い立ったらすぐ行動できることです。
旅行も好きで、近くでも遠くでも、様々なところに行きます。
「30歳までに47都道府県すべてどこかしら行くこと」を目標としていて、この間30歳になったのですが、
その目標がこの年末に達成できました。
最後は1か所観光地に行って済ませた、という感じだったんですけど(笑)
歴史も好きで、お城めぐりとかも好きなんですけど、長野県の松本城が良かったです。
もう1回行ってみたいなと思うのは、広島県の宮島とか、宮崎県の高千穂峡っていう自然できれいなところです。高千穂は子どもの頃親に連れて行ってもらったことがあって、自分の足でもう1回行ってみたいなと思います。

 

 今後やってみたいこと 

旅行では、県としては行ったことがあるけどまだ行ったことがない場所や地域もたくさんあるので、もっといろんなところに行きたいです。
台湾や韓国、香港など近場は行ったことがありますが、海外にも行きたいです。

仕事の面では、とりあえず仕事に慣れてこなせるようになりたいです。
今持っている知識にこだわらず、新しい知識もまだまだ吸収していかないといけないので、勉強も大事だと思っています。

 

~就活中の方へのメッセージ~

言語聴覚士は、リハビリの中でも “食べる” “話す” という人間らしいところを支える仕事です。
話すことは特に人間にしかできないことなので、それを支えられるすごく必要な仕事だと思ってます。
ご利用者と近い距離で関われる時間が長いので、その方の笑顔が見られて幸せな気持ちになれます。
人のために何かしたいという想いを持っている方には、向いている仕事なのではないでしょうか。

なぎさ苑はアットホームな空間で、職員のみなさんも温かく、働きやすい職場なのでおすすめです。

 

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